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2010/03/13 ラストデー!手術も今日で見納めとなる。 [土曜日]

6:45 最終日の出勤もいつも通り。Dr.許、Mrs.ティンと教授が来るのを作業しながら待つ。もうこのスタイルにも慣れて来た。彼女はもう5年以上も続けているのだ。
7:20 最後の回診が始まる。少し遅めであるが、恒例の土曜日の講義は出席だけしておく(カードを通すのみ)ようで余裕があるのだ。本日の手術はさほど症例を入れていない。いつも多い脊椎や人工関節ではなく、外傷・手の外科症例が組まれている。私の最終日ということで配慮してくれたのだと思われる。本当に有難い限りであった。
8:20 講義室に寄って、退席のカードリーダーを通した後(学生の講義の出欠確認みたい)、いつもより少し遅めに手術室へ。Floraが買ってきた朝食を一緒に食べる。最終日もハンバーガーにしてくれた。教授の好物だが、私も嫌いではない。
8:50 今日の手術は全て手洗いして参加させてもらう予定だ。1例目は脊椎の後方固定である。教授の素早い手技はだいぶ理解できた。電メスを有効に利用すること。動きを止めないこと。両側とも外側まで充分に展開すること。などが始めの段階でのポイントであろうか?あとは椎間板腔へのケージ設置、pedicleの位置を適確に把握しscrewをしっかりと素早く刺入していくこと。である。自分でやる積りで参加しないとこの種の手術は参加しても面白くない。今回は自分でも今後する積りで積極的に参加してみた。自信はある程度ついたように思う。
10:35 この列の2例目はcongenital handの症例で前回も経験したradial club handである。しかし、今回の方がより程度が激しい。軟部組織は前回同様、Wartenberg flap(biloblar flap)にて橈屈している手関節を尺側へ戻し正中位とする。当然、尺骨長を調整した上で行う訳であるが、解剖学的なメルクマールがanomalyの場合は非常に解りづらいのが特徴だ。この変形を正中に戻すと橈側の腱は短縮し、尺側の腱は弛緩することが予想される。これらの微調整は実際に行ってみながらやっていくことになる。尺骨遠位端をcutしたこともあり、橈側の腱は延長することなく、尺側の腱のみplication(腱を縫縮して短縮させる)行った。手関節を正中位に保持するためには、K-pinを手根骨指摘位置より遠位側に向かって刺入し(3本)、いったん中手骨頭MP関節部に出しておき、retrogradeに尺骨髄腔内に向かって刺入していく。手関節やや背屈・橈尺屈中間位で固定できるように微調整を行う。簡単そうに見えるが実は難しい手技と思われる。しっかりと固定されたことを確認した後、軟部組織のカバーにとりかかる。2つのflapはそれぞれ血流が良く、近位側から穿通枝が皮膚へ伸びていると思われた。若干皮膚を修正しながら縫合していく。ポイントは2つ目のflapの方を大きく(長く)デザインしておくことだと思われる。良好な術後出来上がりとなる。この種の手術も芸術的で面白いと感じてきた。
12:30 昼休憩となる。いつもの弁当を感傷に浸る間もなく頬張って食べる。午後は教授の外傷症例が続いているので興味深い。最近、自ら外傷症例を扱うこともなくなっていたため是非見ておきたかった。
13:20 上腕骨開放骨折後に創外固定を設置し、軟部組織欠損に対して局所皮弁を行った症例に対して、創外固定器抜去、MIPOによるORIFを行う予定だ。上腕骨のMIPOは実際に見たことがなかったので非常に興味があった。侵入は前内側アプローチで近位はbiceps筋腹を内側にretractして(musculocutaneous nerveもmuscle bellyごと一緒に内側へ)、遠位はbrachialisを内側にretractして上腕骨に至る。思ったよりも簡便なアプローチであることが解った。皮下トンネルの作成もDr.Tuオリジナルのような手技で(筋肉移植の際に皮下トンネルを作成するような感じ)行っていく。Plateはヒモで遠位側に引っ張るようにして設置する。Imageは一切使用せず、screwを順次固定していく(近位・遠位3穴ずつscrew hole使用、骨折部付近にてbendingを軽度行った)。全てbicorticalで固定して、いずれも固定性は良好であった。術後のXp checkがないために出来上がりが不明であるが、きっと自信はあるのだろう。
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14:50 続いて、下腿開放骨折術後軟部組織欠損に対してGlacillis muscleのfree flapを行った若い女性の創外固定抜去、MIPOによるORIF症例である。先ほどの症例に続き、この研修期間でいずれも比較的長期にfollow upさせてもらった症例だけに愛着深い。下腿のMIPOは自分でももう何例も行っていたものの、教授のやり方を見てみたかった。実際みさせてもらうと、極めてシンプル・オーソドックスなやり方で行っていた。conventional用のscrewが何故か準備されておらず、滅菌を待つことになる。その間に先にロッキングスクリューで仮固定をしておいた。一つ一つの作業は適確である。教授はこの種の手術を実際にすることは少ないが、やれば凄いのだ。
16:00 コーヒーブレイクとなった。いつものように菓子パンも付いている。最後の手術に向けて気合いが入ってくる。
16:20 本日最後の症例は、舟状骨偽関節?(嚢腫様変化あり)に対する、2,3ICSRAを利用した血管柄付き骨移植術であった。この症例は最終日に準備してくれたものであるが、正直言うと私のために無理にsettingしてくれたのではという感じが伝わってくる。本当に申し訳ない。心して参加させて頂くこととする。本日もデジカメ片手に時に動画を撮影し(特に血管茎の挙上については重要だと思ったのでしっかりと)、画像におさめた。Dr.Tuが執刀すると簡単に見えてしまうのはいつものこと。解剖をしっかりと頭に叩き込もうと誓った。日本でもfresh cadaverを使ったトレーニングを導入していきたいという思いが強くなってくる。今日は偽関節部まで移行させるのに、始めpedicleの長さが足りなかったため、1st compartment部の腱鞘を切開し、pedicle長を長くとるように工夫して展開した。充分に足りることを確認した(手関節を背屈にし、EPL・EPB・APLの腱の下を通すようにする)。骨内嚢腫様変化部をエアトームで削って、移植骨を充填する。固定は前回同様、AO 1.5mm screwを用いていた。この小さな骨片に対して血流を損なわずにscrew固定することはピンポイントで一発勝負である。やり直しは利かないだけに難しいと言える。いろいろなエッセンスの詰まった手術手技も終焉に向かっていく。自分ではこれが最後なんだという思いが強くなってくるが、周りのスタッフはいつもと同じように淡々と進行している。
17:30 手術は終了となり、片付けを行っている最中に記念撮影を行ったりした。Mr.シーとのツーショットも貴重な一枚かも知れない。ここ義大病院での生活の中で手術室で過ごした時間が一番長かっただけに感慨もひとしおである。一仕事終えたな~という安堵感があった。
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18:00 今日は比較的早くに病院を後にする。これから市内でささやかな送別会を開いてくれるのだそうだ。台湾最後の晩餐ということである。台湾の伝統料理を風情のある場所で堪能できると聞いていたので楽しみだった。
18:40 少し遅れて出たはずのMr.シーが既に店の前で待っていた。Dr.Tuを尊敬している様子が彼の行動全てをとってみてとれる。そのような師弟関係の人物ができるような医師を目指さなければならない。店は台湾の古き時代の街並みを再現した造りの非常に風情のあるレストランだった。日本の統治時代だっただけに、昭和初期を感じさせるレトロな建物、品々が店中に溢れかえっている。店員の格好も昔の学生に扮していて楽しめた。
19:00 参加者は、Dr.Tu、Flora、Mr.シーに加えて、Dr.顔、Dr.葉も加わってくれた。先日の飲み会に参加出来ていなかったこともあり、駆けつけてくれたようだ。Dr.顔はお土産にということで、亜里山のお茶をくれた。Dr.葉がいつものように取り仕切ってくれ、メニューをどんどんオーダーしてくれた。この2人のドクターは、Dr.Tu寄りのスタッフというか、性格的にDr.Tuが扱いやすい人のようで気心も知れている様子である。
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19:40 途中、Floraが店内を案内してくれ、一緒に写真撮影を行ったりした。彼女にも本当にお世話になった。今度、岡山にやって来た時はしっかり接待してあげなくてはならないだろう。
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20:20 料理は非常に美味しかった。ガーリックが効いており、味付けは好みである。また、ご飯の上に肉汁のようなものをかけて食べるスタイルは美味しいのだが、カロリーが気になる所だ。
20:40 楽しかった宴会も終了となる。Floraは教授が送って帰ることになり、残りのメンバーで台湾の伝統的な足つぼマッサージ屋に行くことになる。全身のマッサージも良いところがあるらしいのだが、満腹の体ではちょっと大変だろうということで、足だけの所になった訳だ。
21:00 清潔な感じで少々高級そうな店に案内してくれて、4人でマッサージを受ける。私の担当の男性は日本語が少し話せたので面白かった。しかし、始めは痛かったものの徐々に慣れてきて途中はウトウトしてしまっていたようだ。2か月あまりにわたる研修の疲れが取れていくように感じて行った。とてもリラックスが出来て良かった。
22:00 Dr.顔が病院まで送ってくれることになった。こちらの人はもてなす人を1人で返すようなことは決してしないようである。でもDr.Tuの周りの人間だったからなのかも知れない。
22:30 こうして台湾最後の夜は過ぎて行った。楽しい思い出もいろいろと有難う!

2010/02/27 ゆったり土曜日。Dr.許夫妻と日本食料理屋に行く。 [土曜日]

7:00 7Fの詰所でDr.Tuを待つが、今日はなかなか現れない。今日は7:30から病院全体の講義があるので早いと思っていたのだがそうではなかった。
7:40 Dr.許とMrs.ティンの3人で挨拶回診をしておくことにする。今日はどうやら教授は珍しく寝坊してきたようである。いつもきっちり時間通りに来られても下は辛いだろうから。たまには良いだろう。
8:05 Dr.許は出席を取りに(IDカードで出席の有無を確認されるのだそうだ)もう始まっている講義に向かっていった。自分は手術室に向かっていく。
8:15 もう教授は手術室に来てすでに着替えていた。回診は手術後にさっと回るのかも知れない。今日は昼から台北に出張すると言っていたので、手術も4件しか組まれていない。
8:45 ソファで少しゆっくりしてからOp室内を覗くと、関節鏡視下のlateral releaseとTKAが始まっている。関節鏡はいつもの如くMr.シーが行っていた。ここまで鍛えるには時間がかかっただろうが、教授の影武者(しかも実に忠実な。よっぽど変にプライドの高い医者なんかより使い勝手が良い)として、なくてはならない存在になっている。彼にはたいがいのことを任せているが、レジデントや他の医者にはそうではないのだ。
9:00 Mr.シーの動きを少し見つつ、部屋を後にする。昨晩少し夜更かしをしたので、ちょっとソファでくつろがせてもらう。
10:20 そろそろ2例目が始まる頃だろうと、覗きに行く。腱板断裂症例が既に始まっていた。何例か見たので、それ程もう新鮮さはなくなったが、注射ではなかなか良くならない難治性の肩関節周囲炎の症例には、簡便な手技なのでやってあげても良いかも知れない。しかも伝達麻酔で出来そうなので。
11:00 もう1つの部屋でもう1例の腱板断裂(以前の手術後の癒着の症例)が始まる。こちらは切開して、subacromial spaceの癒着を剥離し滑液包炎による滑膜様組織を除去するだけで終わってしまった。また、患者が創をきれいにして欲しいとの希望があったそうで(自費で美容形成にかかると2万NTDかかるそう。約6万!?)、ただでしてあげると言っていた。確かに瘢痕をとって、皮下をきっちり丁寧に縫ってあげるだけだし。。。
11:40 手術の片付けも終わり、教授は早めに退散して行った。レジデントのDr.邸も、Dr.許も今日は早く終わるので余裕があり、いつになくおしゃべりだ。たまにはこういう日もなければ若いDrは辛いだろう。Dr.邸は午後から台南の彼女に会いに行くらしいし、Dr.許は新しく買ったデジカメのレンズを試すのに奥さんと公園にでも行くとか言っていた。彼が夜は時間あるか?と聞いてきた。何でも日本料理屋に連れて行きたいとのこと。せっかくだから誘いに乗ることにした。
12:30 地下でいつものお粥系の昼食をとった後、部屋に戻る。今日は良い天気だ。
13:30 シャワーを浴び、布団を干すことにした。週末でなければできないのだ。ここは11階なのでベランダから下を見ると相変わらず会陰部が収縮してしまうのだ。
15:00 部屋でのんびりと過ごす。少し昼寝でもとも思ったが不思議と眠くはならなかった。
17:00 約束の場所にタクシーとMRTを乗り継いで向かうことにした。迎えに来てくれると言ってくれたのだが、自分で行くから良いと断ったのだ。
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18:00 時間通りに凸子底という、Dr.許のマンション最寄りの駅に到着。彼が入口で待っていてくれた。少し離れた場所の車の中で、奥さんも出迎えてくれる。英語は結構上手なようだ。
18:40 彼の家族が行きつけという日本料理屋に到着。場所は聞いたが良く解らなかった。造りは日本の小料理屋風って感じか?演歌が流れている。客層は中年夫婦などが多い感じ。
19:30 次から次へとマスターお任せメニューが運ばれてくる。刺身は結構新鮮だが、ワサビがいかにも人工物でありイマイチか?ビールも1本のみ飲む。奥さんは妊娠8ヵ月なので控えていた。味は結構イケた。
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20:10 かなり満足するくらい食べたが、デザートのかき氷の店を案内してくれることになる。
20:40 少し離れた海沿いに近い場所の、創立60年というおばあちゃんのかき氷屋って感じの有名な店に入る。色々なメニューがあるが、お薦めの一品を頂く。今日も全ておごってもらっている。マンゴーのかき氷は食べたことあったが、今日のは梅とかが入った少し珍しい感じだった。味的にはそこまで・・・という気もしたが、珍しいという意味で良かったかな。
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21:00 週末で街中は騒々しかったが(所々で花火が上がる。と言っても日本の花火大会のような凄いものではなく単発でちゃっちい)、満腹になってドライブをしつつ病院まで送ってくれた。

2010/01/30 目いっぱいに詰め込まれた手術・・・ [土曜日]

7:00 土曜だからと思って少しゆっくり病棟に出向くと、既に教授達は周り始めていた。1/4程度回っていたところに合流する。今日は7:30~病院の全体の講演があるとのことで早かったようだ。
7:20 今日の手術予定(8人)のうちの何人かを説明してくれたりしながら急いで回る。今日はBPIの手術が2例も組まれている。
7:30 教授とDr.許は講演に向かっていった。K先生と私はFloraが買ってきた朝食を持って先に手術室に行っておく。
7:50 朝食を食べて着替えて待っておく。手術室内を簡単に案内しながら、予定の部屋に向かうと患者が既に搬送されてきた。
8:00 程なく教授が着替えて現れ、2つの部屋の患者に麻酔前に挨拶をして回る。その後麻酔をかけ始め朝食を取ってくるといういつものスタイルである。
8:30 1例目はspineとTKAであり、いずれも2人ともあまり興味がないこともあり、ぶらぶらしながら過ごす。しかし、Spineのあまりの進行の早さには驚いていたようであった。
9:30 TKAが遅れていたが、Spineは終了していた。次の手術まで少し時間があったので、教授が手術室内の中材や滅菌関係(教授がデザインしたとのことで自信作のようだ。私は、すでに何回か見学に来ていたのでその都度聞いている)の部屋へと案内される。
10:10 ACLが始まろうとしている。本来ならば、隣の部屋のTKAが終わり次のBPIが始まるはずなのだが、時間的に押してしまい教授がMr.シーと一緒にACLに入っていた。実際、教授はあまり手技は行わず、Mr.シーがしている。ある程度目処がつくと手を下す。前回もみたが、40分程度で終わらせてしまうのである。骨孔の設置位置などに多少の議論はあるものの、K先生も少し唖然としているようだった。何となくここのスタイルがつかめてきたようである。
11:10 もう1つの部屋でBPIのdouble nerve transferが始まる。まずは、SA→supra scaplaris nerveの移行から開始する。SAがなかなか同定できないようだった。
11:50 ACL終了後、急いで片付けて、次のSL dislocationの症例が搬送されてきていた。隣の部屋のBPIが滞っていたこともあり、教授が手を下して、こちらの部屋にやってきた。今日は何となく時間がずれ込んでしまっているので、周りが悪い。同時に入ってきてしまっているので、うまく進まないのである(片方はその間ある程度休憩になってしまうので)。
12:30 月状-舟状骨間の離解はXpで明らかである。陳旧性とのことで、背側の靭帯の再建を行うと言っていた。早速、間髪を入れずに手術は開始した。Retinaculumの遠位側を若干cutし、関節包を露出(これはcutしたのち温存しておく)。関節内を展開すると、SL ligamentは完全消失しており、瘢痕様組織が充満している。月状骨、舟状骨にK-pin刺入し、それをjoy stickとして離解を整復していた。Image確認は全くなしだった。SL間がしっかり寄ってくることを確認し、revo screwをそれぞれに刺入し、suture anchorを行う。工夫していたのは、断裂していた瘢痕様の組織をaugumentに利用していたことと、retinaculumのdistal endをflapとして補強していたことである。血流のある組織でカバーすることで癒合を高めようということであった。更にEPLの走行に関しても注意を払っていた。
12:40 閉創は任せて手を下し、昼食を取ることになった。二列目の部屋の進みが遅いので今日は少し長引きそうだったが、昼食はしっかりと取って休憩を取る。
13:10 BPIの部屋に戻っていく。SAはMr.シーが待っている間の時間に何とか探しあてていたようだった。教授が加わってSA→Sspへの神経移行・縫合を行う。神経縫合後はfat tissueでカバーしていた。
13:40 閉創を任せ、またいったん体位を変えることとなったので再び手を下ろし、もう1つの部屋で準備されている、BPI②の方を始めることとなる。まずは、肋間神経の同定からスタートする。この症例はCG記念病院のD・C先生が手術をしたが良くならなかった症例のリカバリー手術である。FFMT(Gracillis muscle)を行うようである。こんな大きな手術があるにも関わらず、他に7件も入れているのだから異常である。
14:30 肋間神経を1本同定し、もう1本をやり始めて疲れが出たのだろうか手を下す。少し休憩に入った。その間にMr.シーが少し進めていくようである。彼もまた異常だ。
14:40 もう一列の方がまだ残っているのだ。体位も変わって、Oberlin法を残すのみとなっている。いったんやり始めると早い。筋皮神経をものの数分で展開し、尺骨神経を同定していく。尺骨神経を見つける前に、上腕動脈に伴走している正中神経が出てくることが多い。電気刺激が必ず確認してから、展開を進めていく。尺骨神経が同定されてから利用するのは橈側側のfacicle(手関節の機能がmain)なので、しっかり同定する。尺側を利用すると、術後の犠牲症状が顕著になってしまうことが多い。何度か見ていくうちに簡単そうには見えてくるのが不思議である。Facicleを分けていく作業もvessel tapeで緊張をかけながら助手と上手くやっている。今日は縫合する神経同士が緊張しており、少し視野の準備に苦労した。縫合はルーペ下で5-6針。ここには静脈ラッピングを行っていた。
15:50 こちらの手術は終了した。もう一方で肋間神経の同定が残っていたがどうやら、再びMr.シーが展開してくれているようだ(本当に信じられない・・・)。
16:00 コーヒーブレイクに入り気分転換をする。ちょっと疲れていたので英気を養ったようだ。
16:10 BPI②の方に戻る。ICNの展開はほぼ終了しており、教授がMr.シーの報告を受け確認している。少し手を加えた後、いったんこちらはカバーして置いておく。
16:30 Gracillis muscleのHarvestingに入る。もう一方の部屋では、大腿からのamputation症例が入ってきているようだ。こちらは、Dr.許が行ってくれるようである。他のレジデントも今日はもう2人来ていて、BPIの方に入っていたが、人が多過ぎて手持ち無沙汰のようである。Amputationの方に入ればいいのに?とか思ったりしたが。。K先生はマイクロの手術を見たくてわざわざ来たのだが、今日はこの症例くらいしかないから多少残念かも知れない。しかし、この驚異的な手術の入れ方には度肝を抜かれているに違いない。
17:00 だいぶGracullisのharvestingも解ってきた。あとはCadaverで何例か自分でしてみればもう一人で出来そうである。Neurovascularだけの状態として、1A2Vを採取。閉鎖神経はできるだけ長く採取する(縫合の際に有利)。遠位端の鵞足部でcutし完全にfree となった。
17:10 settingを始める。移植筋をまずは仮固定を行う。
17:50 なかなか縫合までに時間がかかるsettingが困難のようである。動脈縫合を開始する。
18:30 動脈吻合終了。リーク殆どなし。サージセルでカバーしておく。
18:45 静脈縫合のsettingが済み、縫合を開始する。静脈は2本採取したうちの1本を利用するのだが、もう1本の止血処理をしっかり行っておかねば、後で出血原因となるため気を使う。静脈の方は全周の縫合を終えて、クランプ除去した後、リークが若干みられるようだ。この止血に暫く時間を取られていたようだ。追加で2-3針していたようである。かなり今日の縫合は難易度が高そうであった。血管が宙に浮いたような位置での縫合であるのに加えて手の保持する位置が難しいのだ。たくさん場数をこなさなければ出来ないかも知れない。
19:30 神経縫合に移る。Gracillisのharvestingの際に採取しておいた皮下静脈をラッピング用に使用する。閉鎖神経の太さにICNの2本(Fascicle2本づつ)が程良い太さ同士だった。表3針、裏2針の5針で綺麗に寄った。ラッピングをして終了となる。
19:50 ある程度閉創を行った後、隣の部屋で最後の症例(局所皮弁)が準備されていたので移動する。当初は肘周囲の軟部組織欠損に対してLD移行を行うと言っていたのだが、創が比較的浅くなっているということで(実際問題は時間がないということもあると思う。正直)簡単な手術に変わっていた。穿通枝の出てくる位置を講義してくれた後、皮弁を作って回してくれた。そう難しい手術ではない。問題は適応である。どういう時にどのようなflapを行うのがbetterであるのか?flap surgeonの中には自分がしたいからという理由で本来必要でないような症例にもflapを持ってくる人間もいるから。
20:30 BPI②の部屋では最後の閉創にみんなで当たっていた。一番大事な移植筋周囲の閉創は残してあり、ここは再び教授が加わり自ら行う。見事なチームワークで本日のかなりtightな手術が終焉に向かっている。普通これだけの手術は1週間くらい見るのではないだろうか?疲れた所で記念撮影を。
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21:00 待望な晩餐会が待っている。Floraがどこかで待っていており、車で迎えに来てくれた。4人で街中の陶板焼きの店に向かう。現地でMr.シーが待ってくれているとのこと。
21:30 陶板焼きの店に到着。5人で楽しく会食となる。教授はこの瞬間がとても幸せなようだ。チームを労うと同時に、訪問者に温かいもてなしをする。それが生き甲斐なのかも知れない。
23:10 少し遅くなったが、病院に戻る。教授はこの後、病棟に患者を見に行くようだ。。。。

2010/01/09 昼過ぎまで手術に参加し、午後は付近を歩いて散策する [土曜日]

6:45 ちょっと遅れて到着したが、Dr.Tuは今日も遅い。途中で連絡がありビジネスミーティングがあるので、Dr.S許に回診をお願いしたようだ。私も彼に付いて回ることにした。特に大きな変わりはないようだが、いずれの患者にも家族が付き添っているのに改めて気付いた。日本とはこのシステムは違う。家族が付き添えるという環境がまだ台湾には残っているのである。核家族化や共働きなどがあまり進んでいないこともあるのではないかと思う。看護師の巡回の手間や症状の見落としなど医療の面でも役に立つことは多いのではないか。日本では、家族はできるだけ付き添いたくないというのが実情であるのに(ムンテラで良く家族は付き添わなくてはいけないのですか?とか聞いてくる人もいた)。日本で忘れかけている家族の絆というべきものが残っている気がして羨ましく思う。
7:20 今日は病院6Fの大ホールで病院全体のミーティングがあるらしい(毎週土曜日に開催している)。医者と看護師の婦長クラスは用事がないものは全員参加とのこと(出入り時にIDカードで出欠をcheckしていた)。私もDr.許について聴講することにした。本日のトピックは台北大学の先生による、C型肝炎についてだった。途中で眠くなったが少しは勉強になった。
8:15 まだ講演は続いていたが、手術の準備があるので抜け出る。Dr.Tuは手術室で看護師と何やら話し合いつつ書類を作っていた。今朝は頭痛があったりして、少し調子が悪いみたいだ。
8:40 1例目はspineの固定術と他院でされた大腿骨骨幹部骨折の術後の脚長差の補正のための脚延長術が並列で予定されていた。Dr.Tuはspineの方をやっていて、途中で脚延長に方に現れるとのことだ。私はDr.許がsetting・metal removalまで行うroom7にいることにした。
9:00 抜釘は始めだけmanualで緩めておいて抜去は電動でするという基本的スタイルでスムースに行っていた。日本でも今後は、手術室との関係を良好にしていくためにも、手術時間の短縮や効率化ということについてもっと考えていかねばならないと思う。
9:20 spineの方から手を下してDr.TuがMr.シーとともにやってきた。骨切りの段階になって呼び出したようだ。Unilateralの創外固定器(延長機能付き)をまずは設置してから骨切りを行うのは二次元の長さだけの補正の場合は定石である。素早くscrewを挿入していく。骨切り部は海綿骨が多い骨幹端部が良いだろう。骨膜は出来るだけ残しておくのが良いので必要以上には展開しない。温存がbetter。Bone sawでcutするが、この際、熱が発生して焦げることがあると骨癒合を阻害する要因になると思うので、自分はあまり使いたくない(使うとしても焦げないように気を付ける)。最後はノミでcutしていた。延長のダイヤルを回してみて確実に延長できることを確認した。しっかり接触させた状態で3日程度経過してから、延長を開始するとのことだ。入院は1週間くらいとのことなので、その後の延長は指導して患者自身に行わせると言っていた。
11:00 特に問題なく終了した。手術室にPCを持ってきたので、空いた時間にこの日記を適宜つけることが可能だ。スタッフに日本語を教えたりもする。一日一単語を目指そうと言っている。
11:30 こちらの部屋の2例目は、壊死性筋膜炎後の膝周囲の軟部組織欠損に対する、gastrocunemious muscle flapであった。局所所見はかなり軟部組織欠損が酷く、全身の栄養状態も良くない。Gustrocunemiousの近位内側頭をpedicleとして、切離した遠位側を膝蓋部に飜転しカバーしようというものだ。前回手術の際の筋膜切開部の皮切があまり良くないため、展開に注意を払った。腓腹筋内側頭の近位側には膝窩動静脈からの分岐が入ってくるので、それを損傷しないように展開する。基本的にはsoleusと剥離していくのだが、指で十分に剥離できてしまう。欠損部を充分にカバーできる程度まで展開する。遠位はアキレス腱 となって腱成分になっていくのでその辺りまで展開し切離する。手技的には比較的容易に思える。
12:00 カバーすべきmuscle flapの扱いには十分に注意しており、特に皮膚marginへの縫合方法はシリコンチューブを用いたり、腱成分のパラテノン部の微小血管を傷つけないようにすることや、緊張のきつい場合の皮膚縫合(何とかsutureと言っていたが忘れてしまった)など、所々にふんだんにコツ・テクニックが盛り込まれていた。Flapはtightにならないように、非常に気を使っていた。また後日、肉芽が上がってきたら植皮を行うとのこと。それまではシリコンガーゼでwetにカバーしておくだけとのこと。
13:00 昼食では、弁当のほかに北京ダックと肉野菜炒めみたいなものがエクストラで置いてある。結構、美味しくてかなり食べてしまったかも知れない。
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14:00 午後は、spineの手術ばかりということで後は帰っていいよということになった。教授は見せるべき手術がないとなると、私に申訳ないと思うのか残念そうにする。今度はspineも入らせて下さいと申し出ると、spineはたくさんあるからいつでも!と嬉しそうだった。
15:00 ちょっと部屋に帰ってゆっくりしてから、少し天気も良いので散歩することにした。ズボンを動きやすいのに着替えて出発する。官舎から広い駐車場を通り、まだ行ったことのなかった出口より病院敷地外に出てみる。周りには特に何もなく、大きな幹線が走っていて、車の通りが多かった。ぐるりと広い大学・病院の敷地を1週するような感じで回る。時々デジカメで写真をとる。
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しかし道はちょっと埃っぽかった(インドほどではないけれど)。
16:50 病院内に入る。少し小腹が空いてきたので、地下のフードコートへ。少し早いが夕食にしてしまおうかと思い立ち、麺類を頂くこととした。
17:30 ドミトリーに戻る。今日は洗濯でもしようと思い、少し 溜まった下着類を干したりする。部屋も簡単に掃除しておくか(物がないのであまり汚れていないけど)。
19:00 今日はいろいろとPCを使って仕事しておこう。テレビがない生活にも何となく慣れてきたような気がする。

2009/11/7 土曜日も平常業務あり。夜は日本食料理屋へ招待される。 [土曜日]

7:00 今日は朝の会議などがないので若干回診の開始時間が遅くなった(と言っても今日は土曜日なのだが)。少し遅れて教授が現れる(途中で誰かに用事を頼まれていたそう)。
7:30 同様に回診を行う。今日も教授の名前で5件の手術が予定されている(通常の土曜日は10件以上は当たり前とのこと)。回診表などを見ていて気がついたのだが、基本的に台湾人(中国人も?)の名前は3文字だそうだが、時に4文字の人がいるのが気になったので教授に聞いてみると、女性で結婚後に夫の姓を最初に持ってきているのだそうだ。しかし付けたくない人もいるそうで、その人次第であるとのこと。
8:00 手術室にてまずは搬入されて患者に挨拶をしてから(麻酔がかかる前に)、Flora持参の朝食を頂く(メニューはいつもと同じ:チーズハンバーガーと濃い牛乳)。
9:20 手術開始となっていたが、教授のはからいで、脊椎は面白くないだろうから何か持ってきて時間を潰したらいいよと言われた。いったん医局に戻り、解剖の本とPCを持ってくる。手術室内で今この日記をつけたりしている。
10:50 1例目の手術が終了したようだが、教授は途中でいったん手を下ろすし、何だか調子が悪そうだった。時間も予定よりかかっていたし出血量も多かった。休憩時間に教授が理由を話してくれた。今朝、韓国のある教授から今回の学会のmoderatorのドタキャンを言われたのだそうだ。そのことで結構憤っていたのと落ち込んでいたようだ。幸い、日本のY教授が来られることになったということで、代りをお願いする積りだと言っていた。
11:40 私と話していたらすっきりしたようで、次の手術は普通どおり早く終わらせると言って意気込んでおられた。私はまた外からの見学にさせてもらう。前立ちが長年のコンビのMr.シー(始めはドクターだと思っていた)と直介助Ns、骨移植や機械関係を準備する業者、もう一人レジデントが入っているが、彼はすることが少なくぼーっとしていることも多かった(見ていて少し可哀そう)。
12:00 2例目も腰椎の固定術だったが、側弯や圧迫骨折があり、かなりシビアな症例だ。しかし、あまりためらわずpedicle screwを入れていき難なく固定が終了となる。展開・閉創を除けば脊椎固定(4椎間)を1時間で終わらせてしまう。尋常ではない。
13:30 昼食は今日も弁当が準備されていたが、平日のような混雑ぶりはなかった。教授の元気さも元に戻ってきており、次の手術が終了したら、山野先生に連絡を取ってみようということになった。
14:20 3例目は踵周辺の骨髄炎・軟部組織欠損に対する、free flap(glacilis m.)である。是非とも見ておきたかった症例で手洗いさせて頂く。
14:40 まずは、後脛骨動静脈の同定を行う。軟部組織欠損部のデブリを先にすると、かえってこの処置が難しくなるということであった。動静脈にマーキングをしておき、骨髄炎部分のデブリドマンにうつる。外観上の欠損はそれ程大きくないが、不良軟部組織を切除していくと比較的大きな欠損となる。いったんこちらの処置は終了とする。
15:20 Gracilis m.の採取にあたっては、膝屈曲70°程度、股関節外転位で行う。皮膚上にマーキングを行い、島状の皮膚弁areaを決め(この位置が重要)皮下を展開していく。Gracilis m.とAdductorの筋間を分けながら展開していく。途中(遠位側)、1本Gracilisに入って行く穿通枝があるが、こちらはminorなのでクリップでcutする。近位側に向かって剥離を進めていくが、後方marginの剥離は比較的ラフに行けるが、前方の剥離の際には、島状の皮膚弁に軟部組織をしっかりとつけたまま展開しないと、皮膚に行く穿通枝を傷つけてしまうので注意が必要だと言っておられた。従って、その領域はあまりいじっていなかった。この症例は、通常よりも穿通枝が近位寄りに位置していたため、展開に若干苦労したが、穿通枝とそのやや近位に存在する閉鎖神経を確認したのち、慎重にこれらを剥離していく。今回は機能的筋肉移植ではないため神経は使用しないのでcutする。穿通枝の剥離の際にmagnusに入って行く枝があることを示してくれた。慎重に確認しクリップで結紮しないと出血させてしまうので注意。
15:40 欠損部の領域を計測して必要な長さ分のmuscleを採取し、血管茎を切断。静脈2本、動脈1本だった。そのうち太い方の静脈を使用することとなった。ヘパリン処置を行わなかったのには驚いた。しかし、阻血時間を計測しており気にはしていたようである。
16:00 flapを欠損部の仮固定し、縫合し易いように展開を工夫する(ゲルピーの使い方など)。セッティングが終了してマイクロ導入となった。
16:10 動脈は初め3時の位置に縫合糸をかけ、その後6時くらいを縫合した後、間に1針追加。その後反転させて、連続縫合テクニックを披露してくれた。内腔がしっかり確認できて非常に有用な方法で見せてもらって大変有難かった。目から鱗が落ちる思い。連続で縫っておいて、輪っかの部分をcutし、それぞれを縫合していくというやり方(小郡のH先生もそれに近い方法で縫合していたと思う)。縫合後にleakを確認したが若干漏れるのみで、サージゼルを巻くのみだった。静脈も同様に行う。細かいテクも披露してくれた(漏れのある血管の2ヵ所クランプ、クランプをガーゼで押さえる方法、針先プロービング)。
16:40 縫合はかなり短時間で終了した印象。血流が良いことを確認する。Flapを周囲の皮膚とtensionがかからないように縫合していく。皮膚欠損はあったが、本日は植皮までは行わないそうだ。2日後にするとのこと。
17:00 flap採取側の閉創を行ってから、flapを圧迫から保護するための創外固定を設置することになった。見事な連携プレーでぱっぱと組み立てられてしまう。この手技も非常に有用であると思われた。
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17:30 無事に終了した。3時間ちょっとでこの手術が終わってしまうのだからやはり凄いというしかない。BGだったら、どれくらいかかるだろうか?今思うと結構時間のロスがあったのだなと思い知らされる。
18:00 医局に戻って、Y教授宅に連絡を入れてみるが、奥様しかおらず、自分が日本語で伝言を伝えることとした。後で連絡を取ってもらうようにお願いする。
18:20 教授のお母さんも医局にやってきて、Floraとともに4人で市内に向かった。
18:50 日本料理屋酒田に到着。Mr.シーと脊椎手術に入る業者の人(Mr.レイ)が待っていた。ここは日本料理を台湾風に若干modifiedしたお店だそうだ。
19:30 台湾かに、刺身、鮎の塩焼き、茶碗蒸し、エビのてんぷらなどかなりたくさんの品数であり、満腹となった。しかも台湾ビールも結構飲んでしまった。
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20:40 宴もたけなわとなったところで、お開き。かなりまた食べてしまった。鮎の塩焼きの食べ方が非常に上手だということで皆から褒められた。Floraは記念に写真におさめる始末。。。。大したことないのに。
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