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2010/02/22 形成外科ドクターと遭遇、スーダンのDr.Salimにも久しぶりに再会 [平日]

7:00 回診。1週間の始まりなので今日は少し早めに到着して待っていた。教授がお世辞にもあまり似合わない赤色のジャンパーを着て登場する。あまりファッションには拘りがないようだ。
7:30 今日の手術は外来手術を入れて14例予定されている。11人が新たに入院してきている。先週まで患者が3人しかいなかったが、一気に24-5人に膨れ上がっている。患者の回転も早いので、入院してもいつの間にか退院してしまっている。この周りの早さは経営的にはかなり有利だと思われる。日本みたいに退院を遅らせて欲しいと粘る患者もたまにはいるようだが、保険の問題などもあって、それ程多くないようである。日本の場合は国民皆保険のせいで多くの人間が甘えてしまっているのだ。医療はタダで当然みたいな。
7:50 手術室で朝食をとる。朝から少しこってり系のチャーハンおにぎりみたいな物をもらった。
8:30 今日のスタートは何と3列である。脊椎後方固定、TKA、腱板損傷。腱板の方は準備セッティングを済ませておいて、脊椎が落ち着いた頃に教授が登場するスタイルだろう。レジデントと技術員がスタンバッていた。
9:20 ある程度目処がついたのだろう、教授が腱板の方に現れる。こちらを見学したが、断裂の程度が大きかったので、今日はacromioplastyだけではなく、しっかり腱板をmobilizeして上腕骨大結節部にエチボンドで縫着していた。閉創の際にdeltoid muscleをかなり大きく展開したからということで、splitしたmuscle fiber方向の間に埋め込む形で人工靱帯を挿入して縫合していた。Original techniqueだそうだ。。。Deltoid contructureを防ぐためらしいが。日本ではまずできないだろう。こういう症例は通常関節鏡でするだろうから。
10:00 少し時間が空くのでいったん医局に戻り、病院PCでメールcheck(Dr.呉が日本の骨折治療学会に登録する予定の抄録を私のメールアドレスに送ってくれているとのことなので)。Dr.馬の分と合わせて2人分しっかり添付されていた。しかし問題は、使用言語が主に日本語に限られているということだ。スライドも殆ど日本語なので、彼らには少し厳しいかも知れない。招待講演で外人も来るがそれ程多くはない。日整会なら英語セッションも設けられているが、骨折は今まであまり一般公演で日本人以外が喋っているのを聞いたことがない。でもきっと良い機会だと思われるのでapplyしてあげることにした。後日、学会事務局に問い合わせて、英文抄録の件について問い合わせてみることにしよう。せっかく日本で発表したいと言ってくれているのだから何とか応えてあげねばなるまい。
10:30 spine1例目が珍しく遅れていた。もう終わっていたかと思ったのだが、インプラントで何か不具合があったようだ。TKAの方は2例目が始まろうとしていた。今日もレジデント2人と技術員、器械屋でテキパキこなしていた。どうもこの中に手洗いして参加する気にはなれない。
12:10 TKAが終了し、Dr.許たちとともに昼食をとる。脊椎は2例目が今度は順調に進んでいた。
13:00 図書室にて、pubmedで文献検索を行う。今度の骨折治療学会発表のための下準備である。Free journalをインターネットからダウンロードしてコピーする。思いがけず、図書室の受付でお金を請求された(インターネット使用とコピー代、20NTDと安かったが)。
14:00 文献を持参して再び手術室に戻る。脊椎は2例終了し、踵骨骨折の変形癒合に対する、外側膨隆部の骨切り、腓骨筋腱周囲の癒着剥離、後距踵関節部(足根洞周囲)の滑膜切除、denervation、加えて人工骨を用いて後距踵関節の部分関節固定を行っていた。日本でここまで変形癒合になっていること自体が珍しいのだが、それに対するサルベージ手術の1つとしてオプションとして覚えておいても損はないだろう。特に足根洞周囲のdenervationについては強調していた。ここが痛みの原因となっているそうだ。
14:30 4つ目の部屋(外来患者用手術室)で手根管症候群(CTS)の患者が待っている。踵の閉創をMr.シーに任せてこちらにやってきた。彼はカメラを向けると陽気に答えてくれる。礼儀も正しくイイ人だ。
IMG_4383.jpg
日本でも多いこのCTSに対する教授の手術はどのようなやり方なのか気になっていた。この手術自体はこの病院ではあまり見られない。このような疾患に手を煩わせる時間はあまりないのかも知れない(儲からないから?)今日は2例も予定に組み込まれていた。手術自体は実にtraditionalな方法で、wrist creaseでカーブさせて比較的近位までopenで展開していた。近位から遠位に向かって横手根靭帯を切離していたのが印象的だった。確実ではあるが、手を付くところに皮切が入ってしまうのでpillar painが気にはなる。しかし、正中神経の皮枝や母指球枝を確実にみる方が重要だと言っていた。それも一理あるかも知れない。皮切自体は、日本で行っていたやり方(遠位から近位に向かって切離)の方が小さいしレーズナブルのような気がする。神経には極力触れず、屈筋腱の剥離なども殆どしていなかった。癒着を避けるため、多くの症例で横手根靭帯の切離と充分なreleaseのみに留めているそうだ。
14:50 Floraが買ってきたコーヒーやパンで休憩に入る。レジデント、Mr.シー、Mrレイなどが揃った。教授はこのような休憩がないと息が詰まってしまうであろう。
IMG_5136.jpg
15:10 先ほどと似たような踵骨骨折の変形癒合後の症例の手術が始まる。休憩後にすぐに手術を始められるこの環境が何とも羨ましい。休憩中に全て準備が整っているのだから。やはり麻酔看護師の存在は大きい。日本でも麻酔看護師を作ろうと言う動きがあるようなのだが、医者(おそらく麻酔科?)が反対しているのだそうだ。おそらく本当の現場を知らない愚かどもが、ただ反対しているだけに違いない。きちんと法整備をして資格を与えてあげれば下手な医者よりも断然使えると思うのに残念である。ここら辺が日本の嫌なところ(変化を望まない行政)。
15:40 3つ目の部屋で、尺骨神経麻痺(外傷後)の筋膜下前方移行術が始まる。この手術には手洗いをしてルーペ装着で参加させてもらった。40代後半の女性で外傷後に外反肘となっており、尺骨神経が易脱臼性である。痛み・しびれが強いようだ。肘関節周囲炎も伴っていると考えられた。皮切はオーソドックスに内上顆と肘頭の間やや前方よりで少し大き目に展開していた。前腕内側皮神経は確認できなかったが、尺骨神経は既に前方に位置していた。神経周囲を伴走静脈とともに前方に移行すべく剥離する。関節内からのeffusionや滑膜増生、瘢痕形成が著明であり、ここが疼痛の1つの原因であると考えられた。また尺骨神経本幹から関節に向かう分枝(神経刺激で運動神経でないことを確認)を凝固焼却した。この手技は疼痛を除くためには有効な手段であると考えられる。全体的な手技の中で重要なポイントとしては、剥離し展開していく際に、神経の分枝と思われるものは全て神経刺激で運動神経ではないことを必ず確認してからcutしていくことである。このような細かい確認が術後症状を更に改善させるために重要なのだと思われる。
16:20 上腕骨内上顆部でsubfascialに(神経にtensionがないことを充分に確認して)神経を前方に移行する。この際、関節内からの瘢痕様組織で関節包周囲を簡単に縫着していた。皮下ではなく、筋層下でもない理由としては、皮下はirritation painが出易いことをあげ、筋層下だとmuscleのcontructionによって神経が刺激されることがあるので筋層下が良いとのこと。
17:30 TKAの4例目が終わっていた。脊椎もいつの間にか4例目が始まっている。暫くみていないうちに。。。状況は不明。合間に休憩室でゆっくりしていると、早口で喋るドクターが挨拶してくれた。形成外科の先生で(まだ若そうだが)かなりactiveに手術をしている先生のようだ。英語名Alexだそうで、台南の成功大学でラボも持っているらしい。マイクロや手の外科なども扱っているらしく、色々と症例をデジカメで見せてくれた。この病院には設立当初の6年前から勤務しており、その間に形成のボス(院長)のもとで多くの手術を執刀してきたと言って自慢げに話してくれる。かなり自信家の先生のようだ。趣味は自転車をパーツから作ったり、バイクに乗ることだと言っている。良く時間があるね?と問うとまだ独身だから自由なんだと言っていた。いったい年齢はいくつなのだろうか(実は同じくらいなのかも知れない)。自分に自信があり、チャレンジをしようとする人間は、良い人間もいるが野心家で患者本位の考えでなかったりもするので、少し様子をみておこう。初対面でこれだけ自慢されると少し閉口してしまう。悪い奴ではなさそうなのだが。深くは付き合いにくいタイプかも知れない。
18:00 続けて、スーダンからの研修生Dr.Salimも現れる。Long time no see !とハイタッチして挨拶。何故か彼は自分に友好的だ。同じ穴のムジナと思ってくれているのだろうか。しばし正月中の話などで盛り上がる。4月まで台湾にいて、いったんスーダンに戻り、お金の工面をした後に今度は東京に研修に来るのだそうだ。東京に来たら必ず連絡すると言っていた。
18:10 手根管の2例目も合間で済ませ、あとは最後のばね指(何で外来の小手術が一番最後になっているのかも不明)を残すのみとなっていた。
18:25 かなり疲れた様子で(脊椎4例目もほぼ終了したよう)教授が本日最後の手術に現れた。
母指のばね指で珍しくもないが、なぜかレジデント含めみんな残っている。心なしか教授にパワーがなく、手間取っている。傷が小さすぎるようにも思えた。アシストもイマイチだったのもある。疲れた様子で今日はお開きとなった。
19:00 暫く、形成外科の手術室にいた。下顎~口腔癌摘出後の再建で、血管柄付き遊離腓骨移植が行われている。Dr.Salimも外から見学している。腓骨のharvestingにかなり時間がかかっている。この執刀医はあまり慣れていないのか?と思われるくらいだった。自分はドイツでcadaverの経験しかないが、もう少し解剖は解っている積りである。近位から遠位まで可能な限り腓骨を切除していた。遠位側にモニター皮弁を付けていた(perfolator vesselsを確認しつつ)。muscleは血管周囲に多少なりとも付けて剥離しなければならないのだろうが、あまりにも筋肉を犠牲にし過ぎのように思えた。一度本当に上手な人(たぶんDr.Tuは上手と思う)の手技を見てみたいと望むのであった。
19:30 何となく執刀医の機嫌が悪く、看護師との間にも少し険悪な空気が流れていたので、その場をおさらばすることにした。こういう時は退場しておくのが賢いというものだ。
19:50 地下のフードコートで少し変わったメニューをオーダーしてみた。オムライス(ご飯は普通の白は飯)にカレーのようなルー(味はカレーではない)をかけて食べるのだ。たまには気分を変えてみるのも良いかと思ったが、イマイチだった。
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